スナップ写真考 カラーとモノクロ
モノクロ写真にノスタルジーを感じるだろうか? しかし、それは写真やテレビが昔、白黒だった事を知る者の感覚である。
人間は元々色を見ることができる。色があって当たり前の世界に生きていたのだ。そこに写真が発明されて、初めて白黒の画像を見た人の感覚はどうだっただろうか? もちろん現実がそのまま写るという驚きもあったが、人類はそこで初めて色のない世界に接したのである。
それは、新鮮な感覚であったに違いない。
私などは白黒フィルムから写真を始めた(もちろんカラーフィルムもあったけれど、貧乏学生だったので)クチであるので、ノスタルジーもあるけれど、カラーテレビやカラー写真が当たり前の時代に生まれた若者たちには、また、新鮮さもあるのではなかろうか。
同じ写真をカラーとモノクロで仕上げ、並べてみる。改めて感じるモノが違うと認識する。赤などの強い色は人の目をそこに集中させる。
この写真の場合、ガラスに映り込んだ観覧車の赤と空の青。
モノクロの方は、そこに集中させないので、映り込みと内側のアルファベットなど、不思議な感じをより感じていただけるような気がする。
それにしても、こういう画像処理は楽しい。昔、暗室にこもって焼き込みやら覆い焼きをしていた楽しさを思い出す。
0コメント