気まぐれ写真の話 写真で芸術しようという話

一般に写真は絵画などに比べて芸術性は低いと思われているように感じます。

様々な理由がありますが、ひとつは、絵画はより美しく描くことができるけれど、写真では現実感が強いので被写体が美しいのだと思われる・・・というようなコトなのでしょう。

写真の芸術について、スナップの大家アンリ・カルティエ=ブレッソンは「瞬間」そして写真家によって計算された「構図」とによって表現されたものであるとし、かれの写真は「決定的瞬間」といわれています。また、岡本太郎(写真もたくさん撮っている)は写真について「写真表現(芸術)には現実という力がある」と、その現実感がプラスされていると言っています。

写真はその現実性ゆえに記録という意味で重宝されていますが、芸術写真を目指せば現実感も加味されて面白いモノになるのです。

芸術一般に、芸術とは何か? を最も簡単にいうと見る人に「これは何だ?!」と感じさせるもの。

写真には、芸術活動一般にそうですが、技術ももちろん必要ですが、大事なのはコンセプトです。

写真の場合、何を見て、何を感じて、どう切り取るのかで、そのモノの見方や感じ方が独特であればあるほど、見る人に「何だこれは?!」と思わせることができるのだと思います。

そして、実は写真でも人間の目には見えないものを表現することができます。

例えば、明るさを変えた表現ができる。瞬間を止めたり、逆にブレで時間の経過を表現できるのです。モノクロも実はレトロ感だけではなく、色のない世界という本来人間には見えない世界の表現なのです。

写真がデジタルになって、その表現の幅はさらに広がっています。

さあ、写真で芸術しましょう。

余談:

私は日本大学芸術学部写真学科というトコロの出身です。アンリ・カルティエ=ブレッソンなどに憧れて入ったのですが、入学して最初に先生から言われたこと。

「みなさん、芸術写真では食べていけませんよ」

スナップはライフワークとして撮り続けていますが、これは仕事ではないので私にとっても趣味ということなのでしょうかね。

Jumbo Yoshida's Homepage

写真家じゃんぼよしだのホームページです。

0コメント

  • 1000 / 1000